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【イベントレポート】KARUIZAWA LEARNING FEST.(軽井沢ラーニングフェスティバル)『Lead the self!自らを導くリーダーシップ / 伊藤羊一氏』

投稿日:

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2018年11月1日(木)〜11月3日(土)の3日間で行われた『KARUIZAWA LEARNING FESTIVAL(軽井沢ラーニングフェスティバル)』。長野県にあるライジング・フィールド軽井沢内で開催されました。全日を通して快晴となり、澄んだ空気と青々とした広い空の下で解放的に過ごすことができました。

その中から今回は、ヤフー株式会社コーポレートエバンジェリストYahoo!アカデミア学長の伊藤羊一氏による『Lead the self!自らを導くリーダーシップ』の内容をお届けしたいと思います。

イベント全体のレポート、株式会社フィラメント角勝さんのセッション詳細も紹介しているのでぜひご覧ください。

軽井沢ラーニングフェスティバルのレポートはこちら:【イベントレポート】KARUIZAWA LEARNING FEST. 軽井沢ラーニングフェスティバル

角勝さんのセッションはこちら:『引き出しと視点を増やす「面白がり力」強化プログラム / 角 勝氏』



プロフィール

ヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト Yahoo!アカデミア学長 /株式会社ウェイウェイ 代表取締役 伊藤羊一氏

日本興業銀行、プラスを経て、2015年にヤフーに入社。Yahoo!アカデミア学長として次世代リーダー育成を手がける。また、グロービス経営大学院でリーダーシップ科目の教壇に立つほか、インキュベーションプログラムでメンター、アドバイザーを務めている。著書に『キングダム 最強のチームと自分をつくる』、『1分で話せ』。

伊藤さんのセッション

ラーニングフェスの発起人のひとりであるYahoo!アカデミア学長の伊藤 羊一氏のセッションは、伊藤氏の軽快なトークにより、笑いが絶えない和やかな場となりました。

伊藤氏は、リーダーシップには”Lead the self” ”Lead the people” ”Lead the society”の段階があり、まず”Lead the self”(=自分自身をリード)するためには、「自分が大事にしている価値観、つまり譲れない想い」を知る必要があると話します。

その想いを探るため自分のいままでの人生のモチベーションの上下をグラフにする「ライフラインチャート」を全員が作成し、3人1組でシェアをして相手に気づきを与える質問をして対話をしていく、というワーク形式で行われました。

 


 

リーダーシップに必要なものは、まず“Lead the self”

私はいまYahoo!アカデミアの学長をやっていますが、人材育成の仕事を始めたのはこの3年間半です。新卒で銀行に入り14年、その後プラスという文房具・オフィス家具のメーカー、流通で11年はたらいていました。グロービス というビジネススクールの先生をしていたことをきっかけに、2015年にヤフーに移りました。
3年半たつうちに、「リーダー開発ってこれではないか!」と掴めてきたものを今日はご紹介していきたいと思います。

そもそもリーダーになるとはどういうことか。
一番わかりやすいのは“Lead the people”、つまり人を導いていくことですね。そして “Lead the people” の先には、”Lead the society“があります。社会を導くと言っても、ソフトバンクの孫さんやイーロンマスクのように世の中の仕組みを大きく変えていくことばかりではありません。皆さんが“Lead the people”をして、少しでも何か行動がおきたら、それは社会を導いたことになります。
つまり人を導いていったら、自然と社会を導くようなリーダーになっていくのです。

では、どうしたら人々がついてきてくれるようになるのか。
それは”Lead the self”です。自分自身が何かに夢中になって熱狂することで、自分自身を導いていくということです。

まずは何より自分がやりたいものに熱狂することが大切。最近では、ドラマの「下町ロケット」の阿部寛さん(佃公平役)が良い例であると思います。最初は反対する人が多くても、その人が熱狂する姿をみて少しずつ共感へと変わり、多くの人がついてきてくれるようになります。
“Lead the people”していくうえで、まず一番重要なのは“Lead the self”でなのです。

会社に勤めていると人事異動で突然リーダーになり、自然と部下がつきますのでここがよくわからなかったりする。ですのでYahoo!アカデミアでは1年間“Lead the self”を追求していきます。

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今の自分を知る方法は、過去を振り返ること

自分が熱狂できるものは何か。
それを探るためには、自分の過去・現在・未来をみていく必要があります。リーダーにとって大事なことは、自分の関わる社会がどうなってほしいのか、そのために自分は何をしていったらいいのかという未来を考えることです。
そして、こうした未来の自分の思いを知る上で鍵となるのが、いまの自分が大事にしていること、つまり現在の自分の中にある信念や譲れない想いを認識するということが”Lead the self“の第一歩です。

人それぞれの譲れない想いはひとりひとり違います。なぜかというとその人の譲れない想いは、その人だけの過去の人生からつくられるものだからです。
そして、現在の延長線上に未来があります。理想とする未来を作っていくためには、まずはいまの自分が大事にしている想いを知ることが大切です。

では、いまの自分が大事にしていることや譲れない想いを知るためにはどうしたらいいのか。
それは過去を振り返ること。いまの自分が大事にしている思いは、これまでの経験や想いをベースにしています。ここを辿ることで譲れない想いに繋がるヒントがあるはずです。

過去の振り返りは「ライフラインチャート」による内省と対話

そこで、Yahoo!アカデミアでも必ず行っている「ライフラインチャート」を使って過去を振り返っていきます。
ライフラインチャートはモチベーショングラフともよばれ、自分自身の人生におけるモチベーションの上がり下がりをグラフ化していくものです。
生まれた時から現在までを横軸にして、モチベーションの上がり下がりがあった出来事をグラフにしていきます。人生を振り返りながら思いを込めて書いてください。ポイントは感情の動きはなるべく大きく書くことです。

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そして次に、作成したチャートを複数人でシェアします。人と対話をしながら自分の過去を深堀りしていくことが狙いです。
具体的な方法として、まず4人のグループに分かれます。そして1人20分の持ち時間で、最初の7〜8分でグラフの内容説明をし、残りの12~3分を質問タイムとします。

ここでポイントとなるのが質問の仕方。聞いている他のメンバーが特に印象的だった内容に対して「この時、どんな気持ちでしたか?」といった質問することが重要です。
「え!そこに住んでたの?!俺も俺も!」というような質問はダメですよ(笑)。あくまでも相手に気づきを与える質問をすることが大切です。

この「ライフラインチャート」を用いたワークでは、単純に過去を振り返るだけでなく、「自分自身としっかり向き合い内省できる」「他の人の価値観に触れ、対話をすることが出来る」などの効果もあります。
また、相手に気づきを与える質問を考えて繰り返すことで、1on1のような面談の練習にもなり、マネージャー力が鍛えられます。

伊藤氏のライフラインチャートから見える「譲れない思い」とは


ここで、参考として私自身のライフラインチャートの紹介をしたいと思います。そしてそこから見えてきた私の「譲れない想い」もお話ししていきます。

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モチベーションのどん底から

グラフを見ていただくと分かる通り、私の人生はかなり浮き沈みが激しいです。小学生の頃はスポーツも勉強もできて素直ないい子、いわゆるモテる子供でした(笑)。
中学生時代もテニスの部活で、その後トッププロになるような選手と試合をするくらい強かったんです。

ところが高校1年の時にモチベーションがガクッと下がります。当時もテニスに打ち込んでいて、学校の部活だけでなく校外のテニススクールにも通っていました。
ただ、部活では基礎練習がメインだったためほとんど打たせてもらうことができず、そしてバンドにもはまり、気がついたら部活には週1回しか参加しなくなっていました。
すると高校1年の夏に、まさかの学校のテニス部のクビ宣告!さらに追い討ちをかけるように、当時付き合っていた彼女にひどい振られ方をし、大失恋をします。

この2つの出来事がきっかけでモチベーションがどん底に落ち、ここから26歳まで盛り上がらず、斜に構えた人生を送ることになります。
「俺の人生、こんなもんだよ。勉強も仕事もやってらんねーよ。」と何に対しても斜に構えた見方をしていたため、どんどんモチベーションが下がっていきます。
仕事がうまくいかなくても「俺はまだ本気を出していないだけだ」と見栄を張っていましたが、じわじわ悪化していき、26歳の時に鬱症状が発症します。客先で2時間吐き続け、数週間会社に行けなくなり、その後何とか出社するようになってからも、出社前に自宅の玄関先で毎日吐いたりという状態になっていました。

周りに助けられて何とか仕事をするようになった後、某マンション会社の方から融資をしてほしいという話がありました。その時に「もう頼れるのは君しかいないんだ!」と悲願されたんです。
今思うとバブル崩壊後の不況の折、誰でもよかったんだと思うのですが、当時の私はその言葉を聞いて、「こんな俺でも頼ってくれる人がいるんだ!」と嬉しくなりました。

そこから上司や先輩の力を借りて、融資が実行されます。この出来事がきっかけで「俺は仕事をしていいんだ」という自信がつき、ここからグラフが上向きになっていきます。今は解き放たれて、盛り上がっていますよ。

ここまでが過去の振り返りです。では、このライフラインチャートを作成して気づいた現在の私の「譲れない想い」とは何かをお話します。

人は変われるということ、フラットであること

私の「譲れない想い」は、人は変われるということです。
社会人になって斜に構えていた3〜4年間は本当にダメ人間でした。周りの人からも「お前はバカだ」「なんでそんなことできないんだ」と言われ続けました。

でも、ここから様々な出来事を経て少しづつ成長していき、今ではこうして皆さんの前に立ってお話しさせてもらえるまでに成長できました。こうした自分の実体験から、努力をすれば人は必ず変われるという想いを強く持っています。そしてこの人は変われるという「私の譲れない想い」が原動力となって、今私はYahoo!アカデミアをやっているわけです。

もう一つ「譲れない想い」があります。それはヤフーアカデミアで大切にしている言葉“free flat fan”というもので、その中でも特に人は皆 “flat” であるということ。みんな同じくリスペクトするということです。
過去の自分は散々な言われようだったにもかかわらず、今は全然違う。それは、人が仕事のできるできないで評価している、ということなんですね。
で、僕はそういうことはしたくない。その経験があるからこそ、仕事ができようができまいが人それぞれみんなリスペクト。みんな違ってみんないい。“flat” は絶対に「譲れない想い」です。

このように過去を振り返り、そこから今の私の「譲れない想い」を知ることで、自分が熱くなれるものに気づき、それが仕事になっていく。これがまさに“Lead the self”なんです。

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さらに深堀りするためには価値観の「ナインブロックス」

さらに自分の「譲れない想い」を深堀りするために、まず9つの枠を書きます。
そこにライフラインチャートのシェアで気づいた自分の大事な思いや感情を9つ書き出します。いわば、価値観の「ナインブロックス」ですね。
そしてその中で特に大切だと感じる思いに2つほど丸をつけます。これを行うことで、いまの自分自身の価値観や軸をより深く知ることができます。

このように2つのワークを行うことで、過去と現在を認識することができます。ただし、これらのワークは一回やって終わりではありません。
「譲れない想い」や価値観といのは常に変化していきます。だから、定期的に自分と向き合う内省と、人との対話を繰り返すことが大切になります。

未来を変えたければ、今すぐ行動を変えること

最後に未来の話です。“Lead the self ”に大事なことは、未来を描くことです。
そして未来は現在の延長線上にあります。ここで現在と全然関係のない未来を描いたとしてもそれはそのままでは実現しないものです。
では、現在のまま人生を大逆転できないのか?そのまま今の生活を続けていたらできません。
未来を変える方法は、今日この瞬間から「行動を変える」ことです。
皆さんは未来に向けて生きていくんです。未来を描いたとき、もし今の歩みと違うのであれば、今日この瞬間から行動を変えてみてください。

そして行動したら必ず振り返りを行い、気づきを得て、スキルやマインドにインストールする。
ここを鍛えたら、またすぐに行動して同じことを繰り返していきます。こうすることで、思い描く未来からずれていた現在が、少しずつ近づいていくようになります。それが“Lead the self”です。

自分自身が“Lead the self”されていけば、人はついてきます。それが“Lead the people”です。そして、“Lead the people”の先には、“Lead the society”があります。
ひとりひとりの“Lead the society”が合わさって、日本や世界が幸せになっていきます。そんな未来を一緒に作っていければと思います。

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執筆:大道 有紀

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