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【MEETUP#01 俺のOKR】Chatwork西尾氏「『俺のOKR』自然体で成果を出そう」

投稿日:

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2018年10月26日に『組織づくりベース』は、初となるミートアップイベントを主催しました。
テーマは"俺のOKR"。いま注目の目標管理手法「OKR」をキーワードに、参加者同士で運用方法や効果、課題などを共有し、交流を深めることを目的として開催しました。

イベントには、OKR導入コンサルタント会社の代表や既にOKRを導入している企業の人事担当者3名をお招きし、OKRに関する基礎知識やOKR導入におけるリアルな実情、効果のあった運用方法などをお話しいただきました。

今回はその中で、「OKRの導入から現在に至るまでの軌跡と今後の課題」についてお話いただきました、Chatwork株式会社(以下、Chatwork)コーポレートサポート本部長の西尾知一氏によるセッションをご紹介していきます。

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プロフィール

Chatwork株式会社 コーポレートサポート本部 本部長 西尾知一

関西に拠点を置くIT企業にて、法務、総務、情報システム等の業務に従事。
管理系業務全般を統括する。201710月にChatworkにジョイン。
前職での経験を活かし、人事制度構築などオフィス部門全般を手がけている。


OKR導入のきっかけは”従業員の急増”

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実は、弊社の主力商品である『チャットワーク』がリリースされた当初から5年間は従業員が25名ほどしかいなかったため、目標管理設定の文化がなく、幹部が従業員全員の評価を決めている状況でした。

しかし、20142015年頃に資金調達ができたため、経営のアクセルを一気に踏むことになりました。
すると、組織が大きくなり急激に従業員が増えたことで、『誰が何の仕事をやっているか分からない』『会社の戦略が従業員に浸透していない』『人数が多すぎて評価しきれない』という状態に陥ってしまいました。
これを解決するためには、しっかりと評価制度を導入しなければいけない。そこで同業であるgoogleが採用していることで有名なOKRに目をつけました。

MBOでは評価に対して保守的になってしまう可能性があるため、チャレンジングな目標を設定し達成を目指していくOKRが弊社には必要だと判断し、評価制度のひとつとして導入することにしました。

導入当初から現在までの軌跡

MBOとなにが違うのか?うまくいかないOKR

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まず導入当初は、評価要素に『行動評価』『目標評価』『業績評価』の3つを設定しました。
そして各評価指標として、行動評価はコアバリュー指標(弊社のコアバリューを体現できているか)、目標評価はOKR達成率、業績評価は全社業績を使うことになりました。

しかし実際に運用を始めてみたところ、OKR達成率が評価に直結する、つまり給与に反映されることから達成しやすい目標を設定してしまったり、各部で目標の難易度の調整が不十分だったりと課題が出てきてしまいました。
「これではMBOと変わらないのでは?」という意見も。そこで、再度制度の見直しをすることになりました。

”ワクワク”や”挑戦”というコアバリューのために自然体での運用を

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そもそもOKRの導入を決めた理由に、弊社のコアバリューとの共通点がありました。それが”ワクワク”や”挑戦”です。
しかし、目標評価=OKR達成率にしたことで、これらが消えて、ただ数字を達成するためだけの目標となってしまっていました。どうしたらこの”ワクワク”や”挑戦”を残すことができるのか。

考え抜いた結果、『頑張って会社を制度に合わせるのではなく、自然体で運用していこう』という方針になりました。
目標評価をOKR達成率ではなく、”OKRを通してどれだけチャレンジしたか”を評価指標として組み込むことにしました。ただ、これでは評価する基準が曖昧なため、よくOKRの目標設定で使われる『S.M.A.R.Tの法則』(※)という手法を用いています。
これをもとにマネージャー層がチャレンジ度合いを測り評価することになりました。

(※)S.M.A.R.Tの法則
諸説あるが、 Specific(具体的な)・Measurable(測定可能な)・ Assignable(割当が可能な)・ Realistic(現実的な)、・Time-related(期限のある)の頭文字をとった、目標設定のフレームワーク

OKRをただの評価指標にしない

さらに、こうして作成された全社員のOKRを会社全体で公開します。
公開することで、各社員の仕事内容や進捗の把握、社員同士の目標共有ができ、全社の一体感を高める狙いがあります。

このようにOKRをただの評価指標ではなく『チャレンジのためのコミュニケーションツール』として位置付けたことで、導入当初に課題となっていた点が少しずつ改善されていきました。

新たな課題と今後に向けて

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一方で、新たな課題もあります。弊社では1on1も採用しており頻回に面談が行われるため、目標設定やすり合わせ、フィードバックなどOKRに関わる作業に工数が取られるようになってしまいました。
また、厳密な評価目標ではなくなったため、どうしてもフィードバックの優先順位が下がってしまっているのが現状です。

こうした課題に対してはまだ適切な解決策はみつかっていませんが、OKRは”あくまでチャレンジするカルチャー作りのツール”であるという認識のもと、模索しながら運用しています。

今後も”自然体”を意識して柔軟に変化させながら自社に合ったOKRを確立していけたらと思っています。


会場からはこんな質問が

チャットワークさんのOKRについての試行錯誤を会場のお客様も興味深々に聞いていました。
いくつか質問がでたのでご紹介します。

<質問1>

OKRを導入していますが、アジャイル(開発)部門でうまく運用できていません。
御社では営業部門よりも開発部門で運用がうまくいっているとのことですが、ポイントはなんですか?
また、経営方針、アジャイル部門の目標、OKRの優先順位は?

 <回答1>

ポイントは『OKRをコロコロ変えていい』ことだと思います。この柔軟な方針が開発部門にかみ合っているのかな。
また、優先順位については、はじめに経営方針のロードマップを作成します。
その後ロードマップに沿って進めていくなかで、開発作業の進捗に合わせてOKRも寄せていきます。
つまり、経営方針を軸としてアジャイル部門の目標とOKRの設定を動かしていくことになります。

<質問2>

OKRを通して、実際に他部署間のコミュニケーションはうまれましたか?

<回答2>

実際にOKRの全社公開のおかげで少し見えてきたものや繋がるものはありました。

たとえば開発部門が目標設定する際に、営業がどんなお客さんをターゲットとしているのか、経営戦略の方向性はどんなものだったかなどの情報を得やすくなったと思います。

ただ、こうした意見や情報を直接社員間でシェアする機会は設けていません。営業と開発など横のつながりはまだまだ弱いと思っていて、ここが課題でもあると感じています。

ChatworkさんのOKRは「カルチャーづくり」のツールだった

OKRをそのまま評価と連動させてしまうと、達成可能な簡単なものになってしまう。
かといって評価と連動しないと何のためにやっているのわからなくなってしまう。
まさにOKRでおちいりがちなリアルな問題を、自分たちのコアバリューやカルチャーという観点から試行錯誤されているChatworkさんの取り組みは非常に興味深いものでした。

制度に会社を合わせるのではなくあくまで自然体で運用することで、今後もChatworkさんのカルチャーづくりの重要なツールとして存在していくのではと思います。

Chatworkならではの『俺のOKR』ありがとうございました!

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