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「シリコンバレー式最強の育て方」著者に聞く!1on1の心構えと明日から使える意外な実践方法とは<前編>

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働き方改革が推進される一方で、生産性や業務効率を求められるために、社員同士のコミュニケーションが減っている組織は珍しくありません。特に、上司と部下の関係性が希薄となり、そこに危機感を覚えている企業も多く存在しています。そこで、上司・部下のコミュニケーションの密度を高めるために注目されているのが、1対1の対話=1on1(ワン・オン・ワン)です。

VOYAGE GROUPにて1on1を導入し、その後も数々の企業において個人の意識変革から、組織全体の改革までサポートを行ってきた世古詞一(せこのりかず)さん。――「1on1の重要性は分かっているけど、実行に移せない」といった悩みを抱えるマネジメント層や人事に対し、1on1のエキスパートである世古さんが語る、心構えや意外な実践方法とは。

企業の組織づくりに着目し、パフォーマンスマネジメントシステム『HITO-Link パフォーマンス』の開発を統括する河内佑介(かわうちゆうすけ)が聞き手となり、世古さんに詳しく話を伺いました。今回配信する「前編」では、1on1の必要性とその効果について、そして「後編」では、明日からでも使える1on1のテクニックを紹介します。

株式会社サーバントコーチ 代表取締役/株式会社VOYAGE GROUP フェロー 世古詞一さん

組織人事コンサルタント。月1回30分の1on1ミーティングで組織変革を行う1on1マネジメントのプロフェッショナル。VOYAGE GROUP創業期より参画し、営業本部長、人事本部長、子会社役員を経て、2008年に独立。クライアントは、一部上場企業から一流アスリートまで幅広く、10以上の心理メソッドのマスタリーとして、キャリアの充実・目標実現をサポートする。著書に『シリコンバレー式 最強の育て方―人材マネジメントの新しい常識 1on1ミーティング―』。

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 システムソリューション事業部 HITO-Linkサービス開発部 ゼネラルマネジャー 河内佑介

2012年にインテリジェンス(現・パーソルキャリア)入社後、人事を担当。その後、グループ企業であるパーソルプロセス&テクノロジーに転籍。営業や事業開発、エンジニア経験を経て、HR-Techサービスである『HITO-Link』の事業責任者としてサービス開発を統括している。

クライアントよりも、部下のアポ取りのほうが難しい?!

河内 : 世古さん、本日はよろしくお願いします。早速ですが、世の中の企業は1on1に対してどんな関心や期待を持っているのかお伺いしたいと思います。昨年、1on1の著書を出版されて、世古さんのもとにはどのような声が届いていますか?

世古 : 実はみなさん、1on1が必要であるということは直感的に分かっているようですね。ただ、実行に移すところで、どう進めていったらよいのか分からない方が多いようです。企業の人事担当者からは、「これから1on1を始めるために何が必要か?」についてアドバイスを求められることが多いですね。

河内 : ここ1、2年で1on1という言葉が急速に広まったと思いますし、「やったほうがいい」と、多くの方が同意しますよね。それなのにどうして1on1を推進できずにいるのでしょうか。

世古 : 実は社会の流れが、1on1とは真逆の発想で進んでいるんです。働き方改革のために業務時間の短縮や生産性向上が実施され、それに伴って、社員同士のコミュニケーション量はどんどん減少している。だからこそ、人事は1on1の必要性を感じています。しかし、説得力をもって1on1を会社側に提案できない。その意義を求めて、私に相談がくることが多いですね。

河内 : 問い合わせが多い企業の特徴などはありますか?

世古 : 最近は特に、誰もが名前を知っているような超大手企業の人事担当者からも、相談を受けるようになりました。マネジメント層向けに「人事からのクリスマスプレゼント」として私の著書を1000冊以上ご購入いただいたこともありました(笑)。

▲世古さんの著書『シリコンバレー式 最強の育て方 ―人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング―』

河内 : 大手の企業様がそれくらい力を込めて取り組もうとされているんですね。世古さんは人事だけでなく、現場のマネジメント層と関わる機会も多いと思いますが、そこではどんな声が聞かれますか?

世古 : 部下の考えや本音を掴めていないと悩んでいる上司の方が多くいますね。最近は、仕事終わりに部下と飲みに行くことも少なくなっていますから、人事以上に、部下とのコミュニケーション量の少なさに危機感を持っています。ある企業の部長さんは、「部下を飲みに誘っても、当日だと何だかんだと言って絶対に断られる。クライアントよりアポ取りが難しい」って、嘆いていましたよ(笑)。

河内 : 確かに部下との関わり方はひと昔前とは大きく変わってきている印象があります。それは、やはり部下(若い世代)の意識が変化しているということでしょうか。

世古 : 今の20代は明確に意識が違いますよね。「何で上司と飲み会に行かなくちゃいけないの?」という感覚を持っている方がスタンダードだと思います。自分の時間を大切にして、ペースを崩されるのを嫌っているようですね。

「対処療法」ではなく、先手のマネジメントを

河内 : 最近でこそ1on1という言葉が浸透しつつありますが、世古さんはいつから1on1に着目していたんですか?

世古 : VOYAGE GROUPで人事をしていた頃から、1on1をやっていました。その時は「月次面談」と呼んでいましたが、結構ゆるい感じで「月一くらいちょっと話そうよ」といった具合に。ただし、仕事についてや健康状態についてなど、最低限ヒアリングする項目は決めて臨んでいました。それが今から10年前くらいでしょうか。まだ、1on1という言葉も浸透していなかった時ですね。

河内 : その後、VOYAGE GROUPで1on1はどのように浸透していったのでしょうか?

世古 : 強制的に実施させることはしませんでしたが、常に推奨していました。組織課題があると1on1の実施を進めたり、新任マネジャーには、必ず1on1の目的ややり方をレクチャーしました。半年に1回行っていた社員への満足度調査で、1on1のことをヒアリングした際には、1on1を実施している社員は、していない社員より上司や評価、会社への満足度が圧倒的に高いことがデータからもわかりました。

河内 :なるほど、データでも1on1による効果が見えてきていたのですね。VOYAGE GROUPが「働きがいのある会社」(※)に選ばれ続けていることと1on1は関連性があるんでしょうか?

※VOYAGE GROUPはGreat Place to Work®Institute Japanによる「働きがいのある会社」2015年・2016年・2017年の中規模部門第一位を獲得している。

世古 : 無関係ではないと思いますね。ただ、1on1に対して過度な期待は禁物です。1on1は上司と部下の会話のツール、あって当たり前のインフラとして捉えた方がいいですね。続けているうちに、「このタイミングで話せてよかった」と思えることが上司・部下ともに出てくると思います。そういった、たまに出る「ホームラン」が出ればOKです。

河内 : つまり、何か起こってからではなく、日頃から部下とコミュニケーションをとることで先手の対応ができる、ということですね。

世古 : その通りです。1on1で会話が生まれれば、部下の抱える問題点が事前に把握できる。だからこそ、先手が打てるんです。しかし、日本のマネジメントは、問題が発生してから対処しますよね。部下が辞めたいと言ってはじめて、悩みに気が付いたり、穴埋めの採用計画を考えたり。

河内 : 確かに、日本で人材マネジメントと言われているものは、対処療法が多いですよね。

世古 : まさにそうです。だから先手で話しておけば、ちゃんと対処ができます。変な話、「そろそろ辞めてしまうかも」といった最悪のケースだって、想定の範囲内になります。

河内 :確かにアラート機能にもなりますね。定期的に会話ができていれば心理的な距離も縮まるので、退職などの大きな問題でなくても、いろんな場面で上司に声を掛けやすいですね。

世古 : 部下からの「ちょっといいですか?」が増えるので、問題が小さいうちに対処できます。逆に、部下が遠慮して相談できない場合、問題が大きくなってからはじめて「ちょっといいですか?」とやってきます。全然“ちょっと”じゃないんですね(笑)結果、多くの時間を費やすことになってしまいます。

河内 :上司が1on1をやれない理由として「時間がない・忙しい」というのが圧倒的に多いのですが、これは怠慢でも何でもなく、日本のマネジメント層は本当に忙しい。ですが、どこかでこの悪循環を断たなければいけませんね。

優秀な社員との1on1の重要性

河内 : 1on1の効果が出やすい部下とそうでない部下というのはいるのでしょうか?

世古 : 上司と話したいと思っているもののチャンスがなかった社員は満足感が高く、効果的ですね。実は若手社員ほど、上司にちゃんと見てほしい・承認してほしいと思っています。だから、1on1を通して、関係が円滑になっていきますね。

河内 : 若手以外にも、優秀な社員ほど1on1が必要、ということも世古さんはおっしゃっていますよね。

世古 : 優秀な部下は、自分の力でサクサク仕事を進めるので上司が気にかける機会も少なく、放置されがちです。しかし、そういった社員ほど、「何か新しいことにチャレンジしたい」とか、「今のやり方やスタイルを変えてみたい」、そんな考えがある時に外部から声がかかると、すぐに退職につながってしまいます。できる人ほど、外部からの誘いも多いですからね。

河内 : 優秀な社員と1on1を行う上では、どんな心がけが大事になってきますか。

世古 : 目の前の仕事以外のことにも巻き込んで、問題意識を共有するといいですね。組織の問題点でも何でもいいので、意見を引き出して一緒に考えていくスタンスがいいと思います。いち従業員という立場から、会社側に視点を変えていくんです。その中で新たなチャレンジや目標の話ができれば、会社で実現できることが必ずありますから。

河内 : 上司自身が抱えている問題意識を共有したり、部下に相談してみるのもいいかもしれませんね。

世古 : そのためには、これまでの上司・部下という上下の関係から脱する必要があります。実は、上司がイキイキする時って、部下に仕事を教えているときだったりするんですよね(笑)。

河内 :確かに(笑)「手のかかる部下は大変だ」と言いながらも、なんだかんだ楽しそうにしている人が多いかもしれませんね。

世古 :でもそういった満足感は上司ではなく、部下に与えるべきです。普段仕事を任せている優秀な社員こそ、1on1で会話を重ねるべき人材なんです。その意識は、上司が持つべきものですね。

 

「後編」では、明日からでも使える1on1の意外なテクニックを紹介します。ぜひご覧ください。
【インタビュー後編はこちら】:「シリコンバレー式最強の育て方」著者に聞く!1on1の心構えと明日から使える意外な実践方法とは<後編>

(構成・取材・文:眞田幸剛、撮影:西村法正)

 


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