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1on1ミーティングとは?必要とされている背景や具体的なアジェンダの例

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1on1ミーティングという対話の方法が注目されています。
今、組織に必要なコミュニケーションとはどのようなものなのでしょうか?1on1ミーティングが注目されている背景や目的、実際の内容についてご紹介します。

1on1とは?イメージ

1on1とは?

1on1ミーティング(以下1on1)とは、上司と部下が1対1で行う対話のことです。
1対1の対話というと、評価面談を想像する方も多いかもしれませんが、目的や実施方法に大きな違いがあります。

1on1は、たいていの場合、週に1回、最低でも月に1回実施します。
また、1回の実施時間は30分程度で設定している企業が多いようです。もちろん会社やチーム、職種によっても異なりますが、「短いサイクルで定常的に実施する」ことが通常の面談と1on1の大きな違いです。
革新的なベンチャー企業や有名企業が集まる米国シリコンバレーでは、当たり前の習慣として実施されていた1on1ですが、ここ数年、ヤフーをはじめとする有名企業が取り組んでいることで、日本企業においても大きな注目が集まっています。

1on1の実施目的

これまで上司・部下の間での1対1のコミュニケーションといえば、目標管理制度(MBO)における、半年に1回の人事評価面談が主流でした。
そのほかで上司と部下が1対1で話す機会というと、上司からネガティブな指摘事項を伝える時など、あまり良い印象を持っていない方も多いかもしれません。それはこれまで上司と部下の関係性が「上司が一方的に指示・指摘する関係」であったからに他なりません。

一方1on1は、部下の成長を促進することが目的です。
上司が報告を求め、指摘するような「管理のための時間」ではありません。部下の現状や悩みに寄り添いながら部下の能力を引き出す「部下の育成のための時間」なのです。
そのため1on1が終わったあとに、部下が「話してよかった」と思えることが、まず第一のゴールになります。

1on1が必要とされている背景

VUCAと呼ばれる時代

VUCAの時代」とは、

  • Volatility(変動性・不安定さ)
  • Uncertainty(不確実性・不確定さ)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧性・不明確さ)

の頭文字をとった言葉で、混沌とした現代社会を表しています。
急速かつ、不確実な市場の変化が起こっている昨今では、これまでの経験や物差しが通用しないことが多くあります。
そもそも正解がないため、いくら上司であっても解を持ち得ないことが多くなってきました。 

また、現在ではインターネット上にあらゆる情報が存在しています。
これまでは人が教えてきた知識も「検索すれば調べられる」ため、上司が部下に教えられることは減ってきています。むしろ、子供のころからインターネットに慣れ親しんできた若年層のほうが、情報収集には長けていると言えるでしょう。

そのため、上司から部下への一方的なコミュニケーションではなく、時には上司が部下に教えを乞えるような、対話するコミュニケーションが組織として必要になっています。

労働人口の減少と流動化の加速

日本では人口減少にともなう労働人口の減少が顕著になってきています。
また、終身雇用や年功序列が崩れて、転職に対する心的ハードルも下がっています。

つまり企業からすると、少ない労働者数、かつ流動的な人たちを、どれだけ自社に引き止めておけるか、が大きな関心ごとになっています。
特に、ミレニアル世代では「自分本来の姿を否定されること」や「厳しい環境で耐える」という考えに賛同する人は少数派です。短所に目を向けるのではなく長所をのばし、自分の好きなことや好きな環境で働きたいという価値観へ変化していることも、1on1が浸透している要因と言えます。

 具体的な1on1の実施方法

では、実際に1on1はどのように行っていくのかを4ステップでご紹介します。

ステップ1:目的を定め、周知する

いきなり1on1を実施する、と言われただけでは、何をどこまで話せばいいのか、評価に影響するのではないか、など不安になる部下もいるでしょう。
そのためはじめに「1on1は部下の成長のための時間である」ことを伝えることが大切です。

また、意欲的に取り組んでくれる部下がいる一方で、「忙しいから時間が取れない」「面倒だ」「何も分かっていない」などと反発をする部下もいます。
確かに短期的にみると、時間をとられる活動であり、効果が分かりづらい面もあるでしょう。そのためにも、中長期的な視点で意義があり、部下にどのように成長していってほしいのか、と伝える必要があります。 

ステップ2:会議を設定する

会議は上司が自ら設定しても、部下に設定してもらうようにしてもどちらでも構いません。ただし、都度設定する形にすると、どうしても業務の関係で優先度が下がりがちになります。
やると決めたら、定期的な予定として組み込み、どうしても都合がつかない場合は必ず日程変更するというルールを徹底することをおすすめします。

ステップ3:1on1の実施と記録

人の成長には、継続性・連続性があることが大切です。毎回同じ話題を話す必要はありませんが、一度話した内容に対して、上司がその内容を忘れてしまっては、信頼関係の構築することはできません。

そのため、1on1で話した内容を記録し、忘れないようにすることが大切です。
上司が自分用のメモを取るだけでも良いですが、上司・部下お互いが見ることができるようにメモを残す方が、認識の齟齬を防げるため効果的です。

ステップ4:継続的な1on1の実施

最初は1on1の効果を上司側も疑問を持つことがあるかもしれません。しかし続けていくことで、日常のコミュニケーションの量や質が変わってくることを実感できるはずです。
継続させるためにも、必ず1on1の最後には1on1を振り返る時間をもち、有意義な時間にすることを心がけましょう。

また、わざわざ時間を決めなくても「何かあったら声をかけてくれるはず」と上司は思いがちですが、部下からすると忙しい上司に気軽に声をかけられない場合も多くあります。
1on1を継続的に行うことで、部下から上司へのコミュニケーションがしやすくなり、なにか問題が起こった際にすぐに対処することができるというメリットもあります。 

1on1のアジェンダ例

1on1は「部下の育成のための時間」という基本的な考え方を守れば、話す内容や頻度に明確なルールがあるわけではありません。しかし、いきなり30分間ざっくばらんに会話する、といっても難しいため、まずは基本となるアジェンダを作って実施してみることをおすすめします。
継続していく中で、会社や個人にあった頻度と内容に改善していくのが望ましい発展と言えます。

目的別にアジェンダ例と注意点をまとめてみました。

業務の困りごとを解決しながら、自分自身で学びや気づきを深めていってほしい

業務において緊急度が高いことは上司に相談しやすいものですが、期限が決まっていないことについては相談するタイミングが難しいものです。

1on1ではそういった「緊急度は低いが重要なこと」を対話していくことがよいでしょう。
その際につい具体的なアドバイスをしてしまいそうになるのですが、そこはぐっとこらえ少しでも内省を促す質問を投げかけましょう。
そうすることで自分自身で考えるきっかけになり、部下の成長につながるのです。

一回の1on1にかける時間は短くてもよいので、週次で実施するとなお効果的です。

アジェンダ例

  • 緊急ではないが課題や困っていること
  • 小さなことでも気づきや学び
  • よかったこと
  • 次にチャレンジしたいこと

 より専門性を高めたり、自身の目指すことへの壁となる事象を取り除いてあげたい

専門性が高くスキルによっては上司よりも優れたものを持っている部下の場合、上司もどのように部下の成長に貢献できるか不安になると思います。
優れたスキルや経験を持った部下も自分なりの答えを探しているものなので、上司の経験や立場だからこそできる「壁打ち相手」になれるように傾聴、相槌、質問をしましょう。

隔週か少なくとも月次では実施することをおすすめします。

アジェンダ例

  • 今取り組んでいるテーマ
  • 課題や困っていること
  • 上司が力になれることがないか

 コミュニケーションの量を増やしたい

単純に部下とのコミュニケーションの量が少なく、人となりなどがわからないという方もいらっしゃると思います。
そのような場合にはまず信頼関係をつくるために相互理解ができるようなコミュニケーションをしましょう。
プライベートに関する話や時事ネタ、価値観についてなどの雑談からでも相手のことを知ろうとすることがが重要です。
また、自分の話をするのが苦手な部下には上司自身の話をすることも効果的です。

アジェンダ例

  • プライベートに関する話を聞く(週末何をしたか、など)
  • その出来事に対する感情を聞く(楽しかった?)
  • 価値観を探る(何をしているときが楽しい?)

 今後のキャリアについて考える機会を提供したい

キャリアについては根本的な不安として抱えている方も多い話題です。
所属している組織で自分が描くキャリアパスが描けないと思われてしまうと離職にもつながります。
できれば3ヶ月に1度は1on1の中で部下とキャリアの話をするとよいでしょう。

「将来何がしたいの?」といったような漠然とした質問をするのではなく、部下の思考レベルに合わせて、深堀りしてあげることで、心的ハードルを下げることが重要です。 

アジェンダ例

  • 実現したいキャリア
  • 直近で一番力をいれた業務
  • 自身の強み・弱み
  • 今の業務でのやりがいや、大切にしていること
  • 今後のキャリアの希望や方向性、それに対する課題など

 1on1の実践事例やツールについて知りたい方は以下の記事もご覧ください。

まとめ

ビジネスのスピードや上司・部下の関係性が変化している中で、1on1は部下が本来持っている能力を開花させてあげる手段のひとつです。
短期的に見れば効果が見えづらいかもしれませんが、中長期的な視点で見ると、上司・部下双方にとって、メリットがあると言えます。すぐに完璧なものを目指さなくてよいので、「まずはやってみる」くらいの気持ちで、徐々に質の高いコミュニケーションを実現していきましょう。 

参考書籍

本記事の作成にあたり、以下書籍を参考にさせていただきました。

『ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法』本間浩輔

『シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1on1ミーティング―』世古詞一

『フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術』中原淳

 

 

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