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【半期ごとの評価は時代遅れ?】週1回の1on1を導入したヤフーから見えてきた、マネジメントの本質とは <前編>

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伊藤羊一さん HITO-Linkサービス事業責任者 河内佑介との対談

経営のビジョンや方向性を、上司が声を大にして話す。しかし部下は腹落ちをせずに、上司の顔色をうかがいながら仕事をする。次第にチームの状態は悪化し、パフォーマンスは落ちていく…。そんな一方通行なマネジメントが常態化してしまっている組織も少なくないのではないでしょうか?

そうしたマネジメントの在り方を変え、組織の成果を高めるために注目されているのが、上司・部下による1対1の対話=1on1(ワン・オン・ワン)という手法。週1回の1on1を2012年から採り入れ、リアルタイムフィードバックを実践しているのがヤフー株式会社です。

「1on1が浸透することで、目に見えるように組織が活性化した」と話すのは、Yahoo!アカデミア学長として次世代リーダーの育成を手がけている伊藤羊一さん。2015年にヤフーに入社した伊藤さんは、それまで触れてきたことのなかった1on1という手法に大きな手ごたえを感じています。ヤフーの1on1はどのように浸透し、組織が活性化されていったのか。そして、1on1を実施する上で、気をつけなければならないポイントとは。

企業の組織づくりに着目し、パフォーマンスマネジメントシステム『HITO-Link』の開発を統括する河内佑介が聞き手となり、伊藤さんに詳しく話を伺いました。今回は、その模様の「前編」をお届けします。

ヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト Yahoo!アカデミア学長 伊藤羊一さん

▲ヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト Yahoo!アカデミア学長  伊藤羊一さん

日本興業銀行、プラスを経て、2015年にヤフー入社。Yahoo!アカデミア学長として次世代リーダー育成を手がける。また、グロービス経営大学院でリーダーシップ科目の教壇に立つほか、インキュベーションプログラムでメンター、アドバイザーを務めている。著書に『キングダム 最強のチームと自分をつくる』、『1分で話せ』。

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 システムソリューション事業部 HITO-Linkサービス開発部 ゼネラルマネジャー 河内佑介

▲パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 システムソリューション事業部 HITO-Linkサービス開発部 ゼネラルマネジャー  河内佑介

2012年にインテリジェンス(現・パーソルキャリア)入社後、人事を担当。その後、グループ企業であるパーソルプロセス&テクノロジーに転籍。営業や事業開発、エンジニア経験を経て、HR-Techサービスである『HITO-Link』の事業責任者としてサービス開発を統括している。

一人ひとりと向き合う1on1という仕組みが組織を強くする

< 河内 > 伊藤さん、はじめまして。本日はよろしくお願いします。今回の対談に先立って、伊藤さんの著書2冊読ませていただきました(笑)。

さっそくですが、まずお伺いしたいのは、伊藤さんがヤフーに入社されて、どのように1on1を取り組まれているかという点です。

< 伊藤 > 2015年にヤフーに入社したんですが、最初は「えっ?1on1って何?」という感じで(笑)。入社した直後はどのように取り組めばよいか試行錯誤ではあったけれど、続けて1on1を実践してみると「やっぱりコレだ!」と。

< 河内 > なぜ、そのように実感したんでしょうか?

< 伊藤 > マネジメントの本質は、「チーム(組織)のパフォーマンスを最大化すること」。ただ、チーム一人ひとりのコンディションは全然違うから、受け取り方もそれぞれで変わってしまう。仕事が絶好調な人もいれば、プライベートで悩みを抱えて不調な人もいるからね。

大勢に対して一斉に話しかけるよりも、一人ひとりに向き合って話していかなければ、組織としてのパフォーマンスを引き上げることはできない。だからこそ、1on1が活きてくる。

< 河内 > 実際、どのように1on1を進めているんでしょうか。

< 伊藤 > ヤフーでは1on1を1週間ごと30分間で実施していて、進め方は問題解決と同じ。まずはWhat/Where/Whyを突き詰めていき、次にWhen/Howをメンバーにコミットしてもらう。

そして1on1は、この流れに連続性を持たせることが重要。話した内容を忘れてしまうと連続性が無くなってしまうので、やはりサイクルは毎週が最適だと思うね

世界に目を向ければ、GE社が9ブロックという人事評価制度を廃止して、リアルタイムフィードバックを導入し始めているけど、僕自身、ヤフーに入社してから1on1に取り組み始めて、GE社のやろうとしていることが分かってきた。

伊藤羊一さん HITO-Linkサービス事業責任者 河内佑介との対談

 

「面談する時間がない」はマネジメントの仕事を果たせているのか?

< 河内 > GE社だけではなく、Adobe社も旧来の人事評価制度を廃止しましたね。世界では大手企業が人事評価制度を刷新するニュースが話題に上ることも少なくありません。

事実、半期・四半期といったサイクルの面談や評価ではなく、1on1などを取り入れてリアルタイムにフィードバックするというトレンドが生まれてきています。その先駆者であるヤフーさんの1on1は、社内でどのくらい浸透しているんでしょうか?

< 伊藤 > ヤフーでは2012年に1on1を導入したんだけど、僕が2015年入社したときにはまだ全社的に浸透しきれていないなと感じた。でも今では、ヤフー社内で「1on1は要らない」という人はまずいない。

< 河内 > なるほど。

< 伊藤 > 僕はグロービス経営大学院でリーダーシップを教えているんだけど、よくマネジメントの仕方について質問が飛び交い、受講生たちと議論になる。みんな1on1に興味を持っている。だけど、結局受講生たちのほとんどは1on1に取り組めていない。

その理由として「1週間に1回もメンバーと面談する時間がない」と受講生たちは言うんだけど、「いや待てよ」と。それこそが、本来やるべきマネジメントの仕事だろと(笑)。

< 河内 > そうなんですね。人間が日々考えていることは変わるので、そういった意味でも1on1でリアルタイムにフィードバックすることが大事だと思います。

ある調査では、フィードバックは1週間以内にすることが効果的だというデータも出ているようですね。

< 伊藤 > あと1on1で重要なのは、この時間は部下の成長のためのものだと認識すること。上司が部下をチェックしたり、指導する時間ではないんだよね。

あくまで1on1は部下の成長のための時間であり、能力開発のための時間。それを上司と部下が相互で実感できると、コミュニケーションの濃度も高くなってくる。

< 河内 > 仰る通りですね。

私自身、それを強く実感した経験があります。私はもともとビジネス側から異動してきたのですが、10歳以上年上のベテランエンジニアである部下と1on1をする機会があり、技術レベルがはるかに上の部下とどんな風にコミュニケーションを取ればいいのか戸惑っていました。

でも、やってみると、部下は自分なりの答えを探していて、その「壁打ち相手」になればいいんだということに気づいたんです。1on1は部下のための時間だと。それからはエンジニアであろうなかろうと関係なく、密度の高いコミュニケーションが取れるように変わっていきました。

< 伊藤 > よく考えてみればとても簡単なことなんだけど、そこに気付けるかどうかが1on1に取り組む上で大事になってくるんだよね。

< 河内 > 私がサービス開発を手がけている『HITO-Linkパフォーマンス』を提案するために、さまざまな企業を訪問していますが、スタートアップでも1on1はかなり関心が高いですね。

合わせて社員の内発的動機付けを促進する仕組みとして”OKR”(※)に取り組む企業も増えていますね。人事担当者だけではなく、現場の社員も興味を持っています。”OKR”で注目すべきなのは、野心的な目標を立てられるところ。

先進的なスタートアップは、”1on1・OKR・リアルタイムフィードバック”が「三種の神器」のようになっています。今後は、これらの手法がマネジメントを最適にしていくために不可欠なものになっていくと思います。

※「Objective and Key Result」(目標と主な成果)の略。チームや個人の目標を明確化する仕組みで、グーグルをはじめとした数多くのグローバル企業で導入される業績管理手法のひとつ。

HITO-Linkサービス事業責任者 河内佑介、伊藤羊一さんとの対談

伊藤氏へのインタビューは、6月6日掲載予定の「後編」に続きます。「後編」では、効果的な1on1の方法や、内発的動機を向上させるためのフィードバックの仕方にフォーカス。ぜひご覧ください。

(構成・取材・文:眞田幸剛、撮影:西村法正)

HITO-Linkパフォーマンス

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