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ワーク・ライフ・バランス実現に向けた休暇と休日の設定とは

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休日や休暇に関する規定の作成や見直しは、労働力の確保と労務管理、福利厚生の面で重要です。特に昨今では働き方改革が注目されるなか労働時間やワークライフバランスの実現への関心も高まっています。そこで本記事では、休日や休暇の基礎知識や規定の見直し方法などを解説していきます。

休日・休暇の定義と現状

休日や休暇には法令で定められたものと会社が任意で定めたもの、従業員が任意で取得できるものがあります。一般的には、法令や会社が定めたカレンダー上のものを「休日」、従業員の申し出によって取得できるものを「休暇」と呼んでいます。

休日や休暇をうまく活用することで、社員の心身の健康が維持・促進され、パフォーマンスを最大限に発揮することが可能となります。一方で、法令で定められた最小限の休暇制度に留めて労働力の確保を重視するやり方にはデメリットも多く存在します。具体的な例としては、休日が少ないことが企業イメージや新卒採用の応募者数、従業員の定着率にも影響を及ぼすことなどが挙げられます。

給料よりもワークライフバランスを重視

厚生労働省が毎年行っている「雇用動向調査」では、転職理由の上位に「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」がきています。平成29年の調査では、男性12.4%、女性14.7%が「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」を転職理由に挙げ、前年度の男性9.5%、女性12.3%を上回る結果となりました。これは離職理由のなかで最も上昇率が高く、労働者の意識が急速に変化してきていることが分かります。

また、平成28年度の調査で男性の転職理由の上位にあった「給料等収入が少なかった」が、翌年には1.2%も減少しています。つまり、給料等の収入よりも働き方を重視する傾向になってきていると言えます。多くの人がワークライフバランスを意識した働き方を求めつつあることから、休日や休暇などの労働条件を充実させることは急務となっています。

日本の有給休暇取得率は世界でワースト1

ただ、休日や休暇制度がいくら充実していても、実際に従業員が利用できなければ意味はありません。2018年にエクスペディア・ジャパンが行った有給休暇の取得に関する調査では、日本の有給休暇取得率が50%、取得日数は10日であることが分かりました。これは世界19カ国・地域のなかで最下位の数字です。一方でトップはブラジルやドイツなど4カ国で、有給休暇取得率は100%、取得日数は30日となっています。日本の有給休暇取得率が低い理由として「人手不足」や「休むことを良しとしない文化・風土」などが挙げられ、積極的に有給休暇が取りづらい状況であると言えます。

押さえておきたい休日・休暇設定の基本 

休日や休暇制度を制定するうえで、押さえておきたい基本知識をご紹介します。

年間休日数は約120日が目安

いわゆる暦通りに休日を設定すると、年末年始の4日間を加えた年間休日数は約120日となります。業界や業種にもよりますが、週休2日に加えて国民の祝日を会社の休みにするこの120日のラインが、休日が多いか少ないかを判断するひとつの基準といえます。

また、会社独自に夏季休日や会社の創業記念日などを設定する場合もあります。その際には、国民の祝日の一部を労働日とするなど年間休日日数を平均の108日~120日前後に調整する会社もあります。

休暇の種類は「法令上の休暇」と「任意に定めてよい休暇」

社員の申し出によって取得することができる休暇には、「法令の定めがあるもの」と「会社で任意に定めてよいもの」があります。

法令上定めのある休暇には、年次有給休暇、産前産後休業、育児・介護及び子の看護休暇、生理休暇、裁判員等のための休暇などがあります。会社の任意で設ける休暇には、慶弔休暇、病気休暇、治療休暇、被災による休暇などが挙げられます。これらのうち年次有給休暇以外は、ノーワーク・ノーペイの原則から無給としてもよいことになっています。取得しやすいという点では有給にする方が望ましいのですが、育児休暇や長期の傷病休暇など、無給であることを条件に社会保険制度による給付や手当が受けられるものもあります。

また、任意で定める休暇は勤続年数や役職によって取得できる日数を段階的に増やす方法もよくみられます。いずれも就業規則に取得の要件、日数、給与支払いの有無などについて明記し、あらかじめ周知しておくことが必要です。

一斉有給休暇消化日の活用 

そのほかにも、会社がカレンダー上に設定できる休暇として「一斉有給休暇消化日」があります。有給休暇を使う日にちを会社が決めることは、制度として法令上認められています。この制度を「有給休暇の計画的付与」といい、制度の対象とできるのは年次有給休暇のうち5日を超える部分に限られます。夏季休日や年末年始、飛び石連休などの機会に設定することもでき、同時に有休消化を促進できるというメリットがあります。

休日・休暇制度の設定と見直しのポイント

休日・休暇制度を新たに制定したり現行の制度を見直したりする際に、目的を明確にしておく必要があります。しっかりと確立された目的があれば、「対象者の基準」や「付与日数」、「給与支払いの有無」など制度の細かい条件もスムーズに設定でき、制度が始まってからも運用がしやすくなります。

そのほかに休日・休暇制度の制定や見直しをする際のポイントや注意点をいくつかご紹介します。

休暇と給与、算定期間にも注意が必要

休暇や休日の見直しを行う際は、社員に不利益を生じさせないような配慮が必要です。例えば時間外手当の算出にあたって、代休と振替休日、所定休日と法定休日にはそれぞれ要件があり休日出社の割増率が異なるため、社員が不利益を被らないよう注意が必要です。

また、育児休暇を無給とする場合でも雇用や社会保険資格は継続の必要があるほか、育児休暇の期間を退職金の算定期間に含めるかどうかなども人事制度を作成する際には注意すべき点です。

法令で定められた基準を遵守することは当然ですが、公平性や社員の利益を損なわないように、給与や退職金など、関係のある制度も確認しておくことが大切です。

届出と承認についても定めておく

制度の内容とあわせて、休暇の届出や承認方法についても定めておく必要があります。休みの取りやすさを考えるのであれば、煩雑、厳格でない方が望ましいといえます。適切に管理できる範囲で、届出の方法を明確にしておきます。また、年次有給休暇の申請について法令上これを拒否することはできませんが、会社には「時季変更権」があり、休みを取るタイミングについては本人と相談して変えることができます。こうした届出などのルールについてもあらかじめ定め、社員へ周知しておくことが重要です。

年5日の有給休暇の取得が義務化

2019年4月から労働基準法が改正され、企業が従業員に年5日の有給休暇を取得させることが義務化されました。これまで有給休暇が取得されていなくても企業側に法律違反はありませんでしたが、法律改正により従業員に最低でも年5日の有給休暇を取得させていない場合は罰則が設けられることになりました。違反をすると、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられることになるため、確実な対応が必須です。

対象者は有給休暇が10日以上付与されている従業員で、1年間の有給休暇の取得が5日に満たしていない場合に企業側が時季を指定して取得させることになります。また、これにあたり就業規則への規定や年次有給休暇管理簿の作成・保管など事務的な対応も必要となるため、必ず詳細を確認し迅速に行うようにしましょう。

まとめ

これまで日本では、休まずがむしゃらに働くことが美徳とされてきました。しかし人材のグローバル化や働き方の多様化がすすむなかで従来の休日・休暇制度の運用では限界がきています。従業員が心身ともに健康で働くことは、会社の発展にも良い影響が必ずあります。そのためにも、従業員が気兼ねなく休めて、メリハリある働き方ができる環境を整えることがこれからの時代には必要なことです。

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