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採用マーケティングとは?わかりやすく解説

Written by 塚本 ひかり | Apr 17, 2020 1:41:05 AM

変化する現代社会において、「採用」と一部分を切り取った場合でも、求職者の就職活動方法、企業の人材獲得方法も変わりつつあります。こういった状況の中、より良い人材を獲得するために、採用マーケティングに興味を示されている人事担当者もおられるかと思います。この記事では、採用マーケティングとは何か、どのような概念かみていきましょう。

 

採用マーケティングの概要

採用マーケティングとは何か、企業で活用することにどのようなメリットがあるのか、解説していきます。


採用マーケティングとは


マーケティングの考え方を採用に取り入れたものを、採用マーケティングといいます。
採用活動といえば、求人を掲載するなどのスタイルが一般的でした。しかし、人材獲得競争が激化した現代社会で、従来の採用方法だけでは、人材獲得、特に優秀な人材の獲得は難しくなります。

採用マーケティングは、顕在層や潜在層などに興味を持ってもらい企業に誘導するための仕組みを作るもの。求人誌、イベント、自社Webメディア、SNSなどをとおし、会社のファンを増やす、そして本当に必要な優秀な人材を採用することを目的とします。

従来の採用手法に加え、人材の定着、退職者や内定辞退者などへのアプローチと再雇用も視野に入れた仕組みです。

採用マーケティングのメリット


次に、採用マーケティングを実施するメリットを確認しましょう。

(1)採用コストが抑えられる
マーケティングを意識しない採用では、希望する人材が集まらない、人材が定着しないといった問題が起こりやすいです。

しかし、採用マーケティングは、あらかじめアプローチしたい層を決めた採用戦略のため、ミスマッチは起こりにくくなります。結果的に、ターゲティングができていない従来の採用手法と比較して、採用コストを抑えることが可能です。

(2)優秀な人材が集まりやすくなる
採用マーケティングは、会社のファンを増やす効果もあります。採用マーケティングにおいてより重要なのは、将来的に就職や転職を考えているいわゆる転職潜在層です。

採用マーケティングの過程でファンになり、すでに会社に理解・共感をしている状態の社員が入社すれば、高いモチベーション、高い向上心を持って仕事に取り組んでくれるのではと期待できます。

 

 

採用マーケティングのフレームワーク

採用マーケティングに使えるフレームワーク(枠組み)をいくつか紹介します。

ファネル

採用マーケティングのフレームワークのひとつが、ファネルです。ファネルは、企業が認知され入社に至るまで人が絞られていく段階を示した考え方で、ステップを踏むごとに先細りしてくことから、漏斗(ろうと)を意味するファネルと呼ばれています。

ファネルのプロセス
1.認知:転職の意思などがない人も含め会社を知ってもらう段階

2.興味:求職者に興味を持ってもらう段階

3.応募:求職者に自社を候補にしてもらう段階

4.選考・内定:応募者の入社意欲を高める段階

5.入社:内定確定で最終的に選ばれる段階

ファネルのプロセスをもとに、それぞれの段階のターゲットに適したマーケティングを実施していきます

3C分析

採用マーケティングの環境分析、つまり採用市場を知って自社がどういう立ち位置にいるか把握するには、マーケティングのフレームワークである3C分析が使えます。

3Cとは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの頭文字をとった言葉で、市場、競合、自社を知ってどのように戦略を練るか分析するためのフレームワークです。

採用マーケティングにおいては、3Cを以下のように置き換えて分析します。

Candidate(自社の求める求職者)

Competitor(採用市場において求職者が自社と比較検討する企業)

Company(自社の強みと弱み)

つまり、ターゲットになる求職者はどういった企業と自社を比較する可能性があって、そこに対して自社はどのようにアプローチできるのか、自社の魅力や弱みを分析するということです。

カスタマージャーニー

カスタマージャーニーは、顧客が商品やサービスの購入を決めるまでの思考や感情、行動を分析することです。カスタマージャーニーマップという図に、購入に至るまでのプロセスを入れて、どのようにすれば購入に至るか施策立案に使用します。

採用マーケティングでは、カスタマージャーニーマップを、顧客ではなく候補者に置き換えて作成します。(キャンディデイトジャーニーマップ)候補者と企業の接点、候補者の思考や行動など入社に至るまでの経緯をマップにして、各フェーズでどういったアプローチが有効か分析します。

ペルソナ

ペルソナは、商品やサービスを購入して欲しい人を抽象的に表すのではなく、具体的に人物像を設定してアプローチしていこうとするものです。通常は、年齢やどのような仕事をしているのか、生活パターン、趣味、思考などを細かく考えていきます。

採用マーケティングでは、このペルソナを企業が採用したい人物に当てはめて設定スキルや資格、適正、性格など、自社で採用したい人物像を細かく決めていきます

自社が本当に欲しいと思っている人物像を明らかにして、そうした人物に対して自社ではどういったアプローチができるのか、役立てていくのに活用できるフレームワークです。

SWOT分析

SWOT分析は、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの軸から自社の状況を明らかにするためのフレームワークです。

採用マーケティングでは、以下のような観点を明らかにします。

Strength:技術力、取引先、経営成績などの強み

Weakness:認知度の不安、社員育成の不安、将来展開の不安などの弱み

Opportunity:市場拡大の機会

Threat:価格競争の激化、採用市場の激化

自社を取り巻く状況、自社の現状を把握することによって、ターゲットに対して自社をどのようにアピールできるのか、採用戦略を練るのに役立ちます

タレントプール

タレントプールは、人材情報をプールする(蓄える)ための仕組みです。自社の採用候補に考えられるタレント(有望な人材)に継続してコンタクトを取り続けていくことで、自社にマッチした人材の状況を知り、効果的にアプローチできるようになります。お互いに良いタイミングで雇用契約を結ぶのがタレントプール活用の目的です。

 

採用マーケティングに役立つツール

採用マーケティングを効果的に行うには、ツールが便利です。ここでは、役立つツールをいくつか紹介します。

 Google Analytics

Google Analytics(グーグルアナリティクス)は、サイトの解析に役立つツールです。サイトを訪れたユーザーの分析、レポートの共有、広告などそのほかのサービスと連携したユーザーへのリーチなどができます。

自社の採用ページをGoogle Analyticsを使って解析すれば、どのようなユーザー(年齢、性別など)がどこから採用ページにたどり着いたのか、新規か再訪かなどを分析でき、ターゲット層が訪問しているかどうか探ることが可能です。

来訪者の経路を分析することで、どこで広告を出すべきか、広告の効果測定やアクセスの伸びにも役立てることができます。

 

 

 

SNS

SNSも採用マーケティングに活用できるツールです。たとえば、SNSで求人情報や社員インタビューなどを発信することによって、自社の認知度を高めることができます。シェアされれば、潜在層から顕在層まで広く自社をアピールすることが可能です。

これにより、自社のファンを増やすことが容易になります。優秀な人材の獲得、自社への理解が高い人材の獲得、マッチ度の高い人材の獲得に効果が期待できるでしょう。

また、SNSでは発信された内容、あるいは基本情報などから個人ユーザーの人柄を知ることも可能です。企業が求める人物像に合った人材に対して直接アピールすることもできます。

 

HITO-Link CRM(ヒトリンク シーアールエム)

積極的な採用マーケティングをお考えなら、「HITO-Link CRM」の利用も検討されてはいかがでしょうか。HITO-Link CRMは、自社の認知から採用までをサポートするサービスです。

採用までの全体設計を構築し、注力すべき人物を適切に判断できるように、タレントプールを活用して人材管理やパイプライン設計などさまざまなフォローを行うことができます。これにより、貴社の採用マーケティングの負担を軽減しながら、より効果的な候補者の認知やアプローチが可能です。 


 

まとめ

他社や他業種との人材獲得競争が激しくなる中、欲しい人材に積極的にアプローチするための採用マーケティングは、重要な採用戦略になります。採用マーケティングにはさまざまなフレームワークがありますが、これらの効果を高めるためにもツールをうまく活用されるのが良いでしょう。